重さに宿る、生存の確信。LEATHERMAN WAVE+と手入れの哲学について

重さに宿る、生存の確信。LEATHERMAN WAVE+と手入れの哲学について
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何かを所有するということは、その保守(メンテナンス)を引き受けるということだ。だから僕は、あまり多くの道具を持ちたくない。しかし、この手のひらに収まる冷たいステンレスの塊だけは、どれほど荷物を削ろうとも、常にベルトのホルダーに収まっている。

ずっしりとした重み。触れるだけで指先に残る、精密な噛み合わせの感触。

LEATHERMAN WAVE+

多くの機能を一つの体に凝縮したマルチツールは、往々にして器用貧乏になりがちだ。しかし、この道具は違う。メインとなるプライヤーの頑強さ、指先一つで展開できる鋭利なナイフ、そして細かな作業に応えるハサミ。すべての機能が「命を守るための実用」として、高い次元で設計されている。この道具が持つ約241グラムという重さは、単なる物理的な質量ではない。それは、いかなるトラブルが起きようとも、この手で解決してみせるという「生存への信頼」の重さなのだ。

雨で停滞を余儀なくされたテントのなか。僕はオイルを染み込ませたウエスを取り出し、レザーマンの手入れを始める。すべてのブレードを開き、可動部にほんの数滴のオイルを落とす。カチリ、カチリと、精巧に作られたラチェットが噛み合う音が、狭いテント内に響く。手垢や錆の兆候を拭き取り、鏡のように磨き上げられたステンレスの表面を眺める。手入れとは、道具に付着した過去の汚れを落とすと同時に、未来の窮地で確実に動作するように約束を交わす儀式だ。

僕はこの道具を、マルチツールではなく「意志の拡張」と呼びたい。木を削り、針金を切り、ネジを締め、テントのジッパーを直す。その一つひとつの動作が、僕がこの自然のなかで自立して生きていることを強く実感させてくれる。誰かに頼るのではなく、この手と、この鉄の相棒があれば、何とかなる。その小さな確信こそが、僕を精神的な孤独から救い出してくれるのだ。

手入れを終え、すべてのブレードを本体に折りたたむ。パチンと硬質な音がして、再び一つの無機質な鉄塊に戻る。その完璧な沈黙のなかに、いつでも刃を剥き出す準備ができている熱が潜んでいる。道具を信頼する。それは、その道具を磨き上げる自分自身を信頼することと同義であるはずだ。

森で会おう。

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