唇に触れるチタン。Snow Peakのマグは、冷めたコーヒーすら美味くする。

唇に触れるチタン。Snow Peakのマグは、冷めたコーヒーすら美味くする。

金属の味なんて、しないほうがいい。

冬の朝、テントから這い出す。
吐く息が白い。
そんな時、僕が手にするのはSnow Peak チタンシングルマグだ。
チタンという素材は不思議だ。
金属なのに、金属特有の嫌な味(金気)がしない。
コーヒーの酸味、苦味、そして香り。
それら「液体そのもの」の味だけを、純粋に舌へと運んでくれる。
余計なノイズがない。
だから、このマグで飲む水さえも、どこか甘く感じる。

Scene: 冷えることの美学

僕が愛用しているのは、保温性の高いダブルウォール(二重構造)ではない。
火に直接かけられるシングルウォール(一重構造)だ。
だから、すぐに冷める。
熱々のコーヒーを入れても、外気にあっという間に熱を奪われる。
でも、それでいい。
両手でマグを包み込んだ時、その熱がダイレクトに掌に伝わってくるから。
マグの温度が下がっていくのを感じながら、空が白んでいくのを見守る。
冷めていく過程にも、味わいがある。
「ずっと温かい」なんて、自然界では不自然なことだ。

Feeling: 傷だらけの勲章

僕のマグはボコボコだ。
岩にぶつけ、直火で煤け、何度も地面に落ちた。
青紫色の焼き色は、焚き火の記憶だ。
新しい時のマットな輝きも悪くないが、今の歴戦の姿のほうが愛おしい。
これを見るたびに、あの時の森、あの時の川、あの時の風を思い出す。
ただのコップじゃない。
これは、僕の旅の記録媒体(Record)だ。

Root: 軽さは優しさ

チタンは軽い。
指一本で持てるほどに。
荷物を軽くすることは、自然への負荷を減らすことにも繋がる気がする。
重力から少しだけ解放されて、森へ入る。
このマグをザックにぶら下げて歩く時の、カランコロンという音。
それが僕の森への入館証だ。

森で会おう。