石鹸が、森の匂いがする理由。
市販のボディソープを使うのをやめて、無添加の石鹸に切り替えた。
オリーブオイルだけで作られた、シンプルな固形石鹸。
泡立てると、ほのかに草の香りがする。
それは、香料ではない。
オリーブという「植物」そのものの匂いだった。
Scene: 泡の中の森
石鹸を手のひらで転がす。
角が取れて、丸くなっている。
水を含ませて、泡立てる。
きめ細かい泡が、手のひらに広がる。
その泡を顔につけると、まるで森の中にいるような気持ちになる。
雨上がりの、湿った土の匂い。
葉っぱがこすれる音。
清潔さというのは、「無臭」じゃない。
「自然の香り」こそが、本当の清潔さだと思う。
Feeling: 肌が、呼吸する。
合成界面活性剤の入ったボディソープを使っていた頃、
洗った後、肌がつっぱる感じがあった。
「汚れを落とす」と同時に、必要な油分まで奪われていたんだと思う。
でも、この石鹸は違う。
洗い上がりが、しっとりしている。
肌が、ちゃんと「生きてる」感覚がある。
石鹸は、化学的に「弱アルカリ性」だ。
汚れを落としつつ、肌のバリア機能を壊さない。
身体は、もともと自分で回復する力を持っている。
道具は、それを邪魔しないことが大切だ。
Root: 川に流れても、魚が死なない。
この石鹸は、生分解性が高い。
排水として流れても、自然界の微生物がすぐに分解する。
川を汚さない。
魚が死なない。
「自分がきれいになること」が、「環境を汚すこと」であってはならない。
僕たちの身体は、自然の一部だ。
だから、自然に還る素材で洗うのが、当たり前だと思う。
石鹸という、ただの四角い塊。
でも、その中には、オリーブの木が育った土地の太陽と、雨と、風が詰まっている。
それを思うと、毎日の入浴が、少しだけ特別な時間になる。
森で会おう。