自然という名の高性能テクノロジー。
冬の凍えるような風の中も、夏の蒸し暑い森の中も。
俺は常にメリノウール(Icebreaker)のベースレイヤーを身に着けている。
化学繊維(Synthetic)の速乾性も素晴らしいが、ウールには「命の暖かさ」がある。
それは、羊たちが過酷な自然環境を生き抜くために進化させた、究極のプロテクションだ。
Scene: 境界線が溶ける感覚
袖を通した瞬間、チクチクするどころか、しっとりと肌に吸い付くような感触。
それは衣服というより、第二の皮膚(Second Skin)だ。
汗をかいても冷たくならず、外気が冷え込んでも体温を逃がさない。
まるで、羊の群れの中に守られているような安心感。
自然の中にいる時、自分が異物ではなく、風景の一部になったような錯覚を覚えるのは、この素材のおかげかもしれない。
Emotion: 匂わない、という尊厳
数日間、山に入り浸っても、メリノウールは匂わない。
バクテリアの繁殖を抑える天然の抗菌作用。
これは単なる機能ではなく、旅人としての「尊厳」を守ってくれる機能だ。
自分の汗の匂いを気にせず、風の匂いや土の匂いに集中できる。
洗濯の回数が減れば、水も汚さずに済む。
地球に対して、少しだけ謙虚になれる気がする。
Root: 循環する命の一部として
いつかこの服が寿命を迎えた時、それは土に還る。
石油から作られたものはゴミになるが、ウールは分解され、大地の一部になる。
その循環の美しさ。
俺たちが身に纏うべきは、使い捨ての流行ではなく、こうした永続的な物語なのかもしれない。
最新のゴアテックスも素晴らしいけれど、数千年前から変わらない羊毛の力。
その温もりに包まれて、俺は今日も歩き続ける。
森で逢おう。