時を「消費」するのではなく、「共鳴」する。
スマートウォッチは便利だ。
脈拍も測れるし、メールも見れる。
だが、それは「管理」だ。
俺が腕に巻くのは、ハミルトン カーキ フィールド メカ。
手巻きの機械式時計だ。
電池はいらない。
俺が竜頭(リューズ)を巻かない限り、こいつは止まってしまう。
俺の指先からエネルギーを与えることで、初めて命が吹き込まれる。
Scene: チクタクという対話
耳を澄ますと、微かに「チチチチ」という音が聞こえる。
テンプが振動し、時を刻む音。
それは、正確無比なデジタルの無音とは違う。
有機的な、生きている金属の音だ。
戦場という極限状態で生まれたミリタリーウォッチの堅牢なデザイン。
視認性の高い文字盤。
傷だらけのケース。
その全てが「生き残る」という意志を感じさせる。
ふと時間を確認するたび、「まだ動いているな」と確認し合う。
それは相棒の生存確認(Ping)のようなものだ。
Emotion: 手間という愛着
毎朝、決まった時間に時計を巻く。
巻き止まりの感触を確かめながら。
面倒くさい? いや、これがいいんだ。
「今日も一日が始まる」というスイッチになる。
電池切れで突然止まることはない。
俺が忘れない限り、こいつは動き続ける。
その絆。
自分の命の一部を分け与えているような感覚。
時間の流れが、ただの数字の羅列ではなく、質感を持って感じられるようになる。
Root: アナログの鼓動
効率だけを求めるなら、時間はスマホで見ればいい。
だが、俺たちはロボットじゃない。
心臓というエンジン動く、アナログな存在だ。
だからこそ、同じように歯車で動く時計に惹かれる。
シンクロする鼓動。
いつか俺の心臓が止まる時まで、この時計は俺の腕で時を刻み続けるだろう。
そんな「永遠に近い約束」を、この小さな機械と交わしている気がする。
森で逢おう。