掌(てのひら)の中に灯る、小さなブラウン管の記憶

Divoom Minitoo

冬の朝は、静寂が何層にも重なって降りてくるようです。窓を少しだけ開けると、肺の奥まで冷たい空気が満たされ、感覚が研ぎ澄まされていく。そんな静かな時間に、僕の傍らにある「道具」について少しお話ししたくなりました。

1. 遠い日の光を纏って

Divoomの新しい友人、「Minitoo」。この小さな箱を初めて手にした時、僕が感じたのは「懐かしさ」という名の、温かい手触りでした。
それは、かつて家の中心にあった大きなブラウン管テレビが放っていた、あの不思議な磁力に似ています。丸みを帯びたフォルム、少しだけ未来を夢見ていた頃のデザイン。最先端のはずなのに、どこか優しくて、人肌に近い。そんな佇まいに、僕は心を惹かれました。

2. 呼吸するドット

電源を入れると、液晶の中にドットたちが命を宿したかのように動き始めます。
現代のディスプレイはあまりに鮮明すぎて、時として私たちの想像力を奪ってしまうけれど、このデバイスが映し出すピクセルアートには「余白」があります。点と点の間に、僕たちが忘れてしまった物語を書き込むことができる、そんな自由。雨の音を流しながら、ぼんやりとドットが刻む時間を眺めていると、都会の喧騒が遠い過去の出来事のように感じられるのです。

3. 声を聴き、心を通わせる

驚いたのは、この小さな体が奏でる音の豊かさでした。まるで土から芽吹く命のように、力強く、それでいて透明感のある響き。Bluetoothで繋いだスマートフォンから流れる音楽が、Minitooを通ることで「僕の空間」の温度を少しだけ上げてくれる。
液晶には歌詞が浮かび、静かに流れていく。言葉が視覚として空間に溶け込み、音と一体になる体験。それは、ただ音楽を聴くという行為を超えて、誰かがそばにいてくれるような、不思議な安心感を僕に与えてくれました。

4. 根源にある「遊び」の精神

私たちはなぜ、こうした道具に惹かれるのでしょうか。
効率だけを求めるなら、多機能なデバイスはいくらでもあります。けれど、Minitooのような「遊ぶ心」を忘れない道具は、私たちの生活に「根っこ」を生やしてくれます。ただそこにあるだけで、少しだけ世界が優しく見える。便利さの影に隠れてしまった、自分自身の「好き」という純粋な衝動。それを思い出させてくれるパートナーなのです。

忙しない日常の中で、ふと立ち止まりたくなった時。掌に収まるこの小さなブラウン管は、あなたにだけ、大切な「光」を届けてくれるはずです。

森の静寂に、この小さな光を添えて。

Minitooとの出会いを、ここから。